受験はゲーム
Namiko Sakamoto
Frantisek Havlicek
仮面夫婦
受験

子供の代わりに親が受験しているような状況に陥るのはなぜか?


🍀「自分の子供がかわいい」と思うのは親であれば当然です。

では、「他人の子供はかわいくない?」

そんなことありませんね。

しかし、「執着心」は湧かないはずです。

親が知らず知らずに我が子に寄せている感情は、愛情の他、執着心や自分の理想通りになって欲しいというエゴであることも多いものです。

受験において「子供以上に保護者がストレスを感じている」という状況も生まれています。

子供を一人の人として見つめ、一歩下がって支えてあげるということが大切です。

受験は、子供自身が、進路というより自分の将来像を描くのにちょうど良い機会です。

同時に、自分の意思の確認や目標に向けて計画を立てるなど、親離れに近い状況も起こるかもしれません。

その際に親として、「子供を一人の人間として見る」、「他人と同じように意見を尊重する」といったことにトライしてみてください。

受験に関しては少し距離をおいて見ても、「大好き」、「大切だよ」という気持ちを伝えることで、子供だけでなく自分自身を安心させることができます。(ここは恥ずかしがらずに!)

距離を置くことは「何もしていない」、「親としての義務放棄」ではありません。

また、心配しなくても、子供の心は親からそう簡単に離れていきません。

🍀なぜ受験したいのか(または受験が必要なのか)

モチベーションについてじっくり話をし、「目的」を明確にすることも大切です。

・友達が受験するから

・名門中学(高校)に入学すれば将来有利

・したいことがある

理由は様々なでしょうが、子供が自分で見つけてきた理由が大人から見て「えっと・・・😅」ということもあるでしょうが、どんな理由であれ応援してあげるのも一つの手です。

また、これだけは伝えておきたい!ということがあれば、しっかりと話してあげてください。

しかし、子供も一人の人間です。

親の意見に共感することもあればそうでない時もあります。

それもそのまま受け取りましょう。親子といえども一心同体ではありません。一人、一人、別の人間です。

子供の意思とは裏腹に、子供にどうしても受験して欲しい!という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、どうして受験が必要なのか、子供に納得いくよう説明するしかありません。

無理矢理おしつけても、将来きっと分かってくれる!という思いも理解できます。実際、そういうケースもありますね。

イギリス人の男性で、娘さんに中学受験を押し付けて成功された方がいらっしゃいましたが・・・、「中学生から成人になってしばらくするまで、I hate you!(大っ嫌い!)と言われ続けて苦しんだ。」と伺ったことがあります。

また、「子供のために!と心を鬼にしたのか、大企業の社長だからと自分のエゴで動いたのか・・・両方か、正直自分でもわからない」と仰っていました。

子供が親心を理解するのは、自分が親になってからです。その時まで「自分の押し付けを理解してくれる」という信念を持って待つのも一つの手だとは思いますが、今はそういった時代ではないように感じます。

生活環境次第ですし、そこは、当事者しかわからないところもありますね。

🍀チェコでも受験戦争が激しくなってきています。

中学受験の倍率はとても高く・・・プラハ市のトップ校を見ると、低いところでも4倍程度でしょうか。

日本のような「倍率一覧」は存在しないので、興味のある学校の100頁程ある年次報告書の中から昨年の入試結果を探し自分で読み取るしかありません。

チェコNo1を誇るトップ校はこちらでしょうか。プラハ市の公立中学・高校です!

https://www.gjn.cz

チェコでは、「バイリンガルスクール」も多少見られます。こちらもそうですが、バイリンガルスクールにおいては、チェコ語とフランス語の組合わせをよく見かけます。

チェコの中高受験は下記のような方法です。

・願書は2校に提出可能

・国語(チェコ語)と算数・数学はセンター試験のような仕組み(願書を出した高校にて実施)。それに加え、各校が準備する一般教養(その他の科目をひっくるめた一般知識に関する質問事項)となります。

・2校を選択すると、実質センター試験は2回受けることができます。国語と算数・数学の試験は全国共通のため、最終的には、第一志望の高校に「得点が高い方のセンター試験結果」を提出し、審査開始となります。

🍀受験はゲーム

ゲームとは「遊び」という意味ではありません。

ゲームとは「ルール、決まり事が明確な仕組み」を意味します。真剣勝負です!

受験は、「真面目に一生懸命勉強すれば受かる」ものではありません。

がんばっている皆が受かることができない仕組みになっているのが受験。「どうすれば点が取れるか」、「ひっかけ問題をクリアできるか」、「ニアミスを防げるか」、「時間配分をうまくできるか」という4つの仕組みを理解し、それに見あった実力をつけることが大切です。

「受験は自分の能力を試す場」ではなく「応用能力」が試される場です。(学校にもよるので過去の試験問題で傾向を掴むことが重要です。)

計算式だけ早くこなすよりも、国語も算数も読解問題が重要なのはそのためです。答えを丸暗記できるものよりも、その場で考えて解く、そしてどれだけ速く解けるかが試されます。

子供につきっきりで勉強をする方はさすがにあまりいないでしょうが、親がピンポイントで協力できるのは、子供の苦手な問題を把握し、似たような問題を解く際にある程度スピードを上げていくよう仕向けてあげることです

自分は勉強が苦手!といった方は、気合をいれて苦手な勉強に取り組む必要はなく、とことん塾や予備校に頼りましょう。

苦手な問題を後回しにするとしんどくなるので、できるだけ早めに苦手な問題を繰り返し復習するのがおすすめです。しかし、「どうしてもこの手の問題は無理だ」ということもあるでしょう。

その場合はギブアップ、諦めて何点の減点となるか把握しながら、他でどれだけ点を取れるか、他でどれだけミスを防ぐかに集中した方が良い時もあります。

「点数の多い問題をものにしろ」が基本です。

🍀塾開校?

私は中学受験は経験していませんが、過去問などを適当に解いて遊んでいた記憶があります。ただ単におもしろくて・・・。

高校受験は3校。

四天王寺学園(私立)

京都女子高校(私立)

茨木高校(公立)

(その後大学はチェコで修士課程1回、博士課程2回。)

私立2校を受験するのはいやでした。「お金の無駄」、「塾の宣伝のため」。

塾からは、「私立を受けて自信をつけてから公立受験に臨むのがいい」との説明を受けましたが、受験料がもったいないし、公立高校に受かる自信はあるので必要ないと母に伝えたところ・・・

「じゃあ、入試の後に近くを観光しよう!」と言われ・・・ノリノリで受験しました!

こういうノセ方いいですね!実際、受験そのものよりも町をぶらっとしたことの方が印象に残っています。

私立を受けて良かったことは、過去問が充実していて解きまくるのがめちゃくちゃ楽しかったことにあります。

また、塾の先生と世間話を沢山し、実際に試験問題を解くことよりも、「試験問題はこうやって作るもの」という裏事情を知ったのもためになりました。

私はよく、「チェコで塾開校したらめちゃくちゃ儲かるよ!」と言われます。

実際にチェコ語でも教えるのが上手いと評判なのと、高校受験の科目なら全科目カバーできるのがポイントなのでしょうが・・・不思議ですね、全く興味が湧きません。

勉強は楽しいし、教えるのも好きですが・・・。

そこがポイントです。「自分が何かできるからといって、それを職業にしたいと思わない。」

人生とは複雑なもの。

今日も、「弁護士や大企業の管理職の転職が流行っています」というチェコ語のラジオを聞いてふふっと笑ってしまいました。

転職で人気な職業は職人です。家具職人や施工工事といった多能技師・職人。儲かるし食いっぱぐれません。

そして何より・・・「無能な部下に、無能な上司に、組織管理に、レポートにクライアントに、下請けに・・・あーーーー!」といった生活から解放されるのがメリットだそうです。

人生とは複雑なもの・・・。

🍀子供の体調管理

親として一番できることは、子供に(いつも通り)愛情を注ぐことの他、体調管理でしょう。

神経質になる必要はありません。

美味しいご飯を作る。気分転換に一緒に運動する、買い物に行く、カフェで休憩、ゲーセンで遊ぶ・・・、映画を観に行く、各家庭様々でしょうが、子供同士で楽しく遊べる機会を作る、など忙しいからこそ、「楽しいこと」に使う時間を作ってあげる必要があります。

忙しいから、全部受験の後ね!では少し息苦しくなるでしょう。

仕事しながらそんな余裕は・・・と思っても、ここはかわいい子供のため、休みを取るなり時間をかけてあげましょう。

いやいや、私立だからとにかく稼がなきゃ!という場合には、仕事帰りにちょっとした手土産を時々持ち帰るのもいいですね。「今日もがんばったね、おつかれさま!」、時には、「え、うまくいかなかった?じゃあ、一緒に気分転換しよう!」とお土産と一緒に声をかけるだけで違いますね。

コロナ禍ということもあり、人との接触を避けた楽しみ方を模索する必要もありますが、この辺りは・・・大人の腕の見せ所💪友人・知人・SNSを最大限に活用することで何か見つかるのではないでしょうか。

また、子供たちの睡眠時間も守ってあげてください。「遅くまで勉強する」というのは絶対によくありません。例えば、受験期間は他の習い事を休ませるなど、ゆとりを持たせる必要があります。

子供たちの睡眠時間が短いことに驚かされますが、睡眠不足は発達障害をもたらす可能性もあります。障害までいかなくても、疲労蓄積、イライラが消えない、落ち着きがないといった症状に繋がることも多いため、ぐっすり眠れる環境、睡眠時間の確保には気をつけてあげましょう!

「早く寝なさい!」で「はい」と寝る子はいないでしょうから、生活リズムの工夫やちょっとしたリラックスグッズを利用するのもよいでしょう。

寝る前の携帯・パソコンが体に悪いのは大人も子供も一緒です。とはいえ毎晩ロマンチックに星空を眺めるのを皆が皆好きなわけではないでしょうから・・・、今日一日あったことをゆったりとした気分で話すといったことから初めてはいかがでしょうか。

子供の就寝時刻:

https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/201409/chapter4/02.html

🍀最後に・・・

どれだけ用意周到でも・・・うまくいかないことがあります。

当日に体調を崩すケースがあります。

熱でフラフラしながら受験。下痢や腹痛を抱えて受験。体調のせいで・・・!と悔しい思いをすることがあるかもしれません。

そういうことがあるのも、事前に話をしておいた方がよいかもしれません。(いや、うちの子にはそういう話は事前にしてはだめ!という意見もありますね。)

受験がうまくいかなくても、努力は報われます。しかし、すぐにとは限りません!

自分を鍛えたこと、目標に向かって計画を立てて進んでいったこと、親子の絆が深まったことなど、「合格」という文字以外に得られた成果は多いもの。

しかし、辛い気持ちには変わりありません。

いっぱい泣いて、いっぱいわめいて・・・そしてまた次に向かっていく気持ちが生まれるまで、子供をそっと見守るのも親の仕事ですね。

子供がもし「失敗」を気にする性格であれば、「受からなかったけどよくやったね!親が好きなのは子供で、どの学校に通っているかは関係ないんだよ」とはっきり伝えるのも大切です。

チェコでは、通信簿/成績表が渡される前日に・・・子供相談所への子供達からの電話・メッセージが大量に増えます!

「親に言えない・・・。家に帰りたくない・・・。」

成績が悪いのは「それはそれ」。成績と愛情の接点がゼロであることを子供にしっかり伝えましょう。

親としてできることは、受験自体にドキドキハラハラするのではなく、子供が辛い時にどう受け止められるかを考えておくことです。親が塾から(または家で)笑顔で迎えてくれるだけで、子供の心が満たされることもよくあります。

不安が多い方ほど、自分が現実的に何ができるか日常生活を見直してみるのもよいでしょう!

さぁ、今日作ったサムネイルで子供を笑わせれば、私の仕事も完了です😊

がんばったね!と自分自身も褒めてあげてくださいね。

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