それぞれの戦後
Namiko Sakamoto

日本史が好きでした。
大和朝廷から戦国時代までは波乱万丈。
江戸以降はなんだか四字熟語の座談会のようですが、参勤交代に幕政改革、明治維新に近代国家の成立。

しかし、「あれ、第二次世界大戦のページ数薄くない?」となぜか疑問に感じていました。

5月8日はヨーロッパの戦勝記念日です。
終戦ではなく戦勝。

大学に入学する前の夏休みに、一人で広島を訪れました。
国際会議場で講演を拝聴し、平和記念公園を巡り、広島焼きを食べて帰途に着きました。

教科書以外にも本や資料、漫画に映画と色々試みましたが、とても身近な歴史、今の生活に直結していると思う第二次世界大戦後の日本がよく飲み込めませんでした。

戦争
原爆投下
敗戦
連合国軍占領
人間宣言
主権回復

・・・濃縮された数十年。


戦争や戦後について体験談を語ってくれる人は身近にいませんでした。
また、なんとなく触れてはいけないテーマかなと感じていました。

私自身のアイデンティティの喪失。

チェコには、ナチス・ドイツの強制収容所があったテレジーン(Terezín)という町があります。
そこにも一人で訪れました。
チェコの夏は空気がカラカラに乾いています。しかし、要塞の中はじっとりなんだか肌寒い。

見学者がはほぼいない平日。
出会ったのは二人のアメリカ人観光客。

強制収容所跡にいながらも私が思いを馳せ巡らていたのは日本。戦争と戦後。自分自身。
私側はなんだか気まずい気分。
普段のように何気ない会話を進める気にもならなかった。
ただ、私は足がなかったことからプラハまで車で一緒に連れて帰ってもらえることに。
(電車で帰ると夜のコンサートに間に合わない時間になっていました。)

第二次世界大戦やその後についても「日本人としてどう思ってるの?」と聞かれることが多い。
一歩間違えれば、私の答えが「日本人は皆こう思っている」と誤解を与えてしまう可能性がある。
慎重に話すしかない。

5月は誕生日をはじめ楽しいイベントが多いのですが、必ず思い出す広島とテレジーン。まだ他にも足を運んでみようと考えています。